■連載/ゆとりのトリセツ
■いつの時代も、若手の育成は骨が折れるものでございますね。
自発的に動き、向上心のある人物に成長してほしい。そう、自分の様に……。
そう切に願い新人に挑むも、ことごとく成果が得られぬ!という事例が確かに存在するようでありまして。本当に理解しているのか怪しい、やる気が伝わらない、落ち込んでいるのか怠いのか判別できない、叱咤激励したらすぐ辞めちゃった!といった具合でありますね。この手応えの緩さは、やはり“アノ”世代が社会進出した辺りからだぞ、なんてヤキモキする管理職や上司をこの目で見て参りました。さて、そんな目上を悶々とさせる新人七不思議でありますが、その中から今回のコラムでは「なぜ新人は相談してくれないのかについて、等身大の“アノ世代”目線より、綴って参りたいと思います。ご一読あれ。
【コミュ力の問題か、臆病なのか…】
起きた問題を、わかりもしないのに自分の判断だけで処理しようとする新人がいる。というボヤキを何度か耳にした事がございます。相手がいる商売ですと、事が大きく面倒になる可能性が高いというのもあって、勘弁してくれと言うのが本心でありましょう。そんなこんなで、分からない事は何でも聞いてくれ、と口を酸っぱくして言い聞かせているのに、返ってくる了承の言葉とは裏腹に行動に移さない。悩みも聞くよ、と歩み寄りを匂わせても、やはり返るは笑顔と感謝の言葉のみ。のみ。のみ…。そんな事が続くと、どうも不信に思うのですね、彼等はコミュニケーション能力が欠損しているんじゃなかろうか、と。積極性に物足りなさを感じるのも、それが原因しているに違いない、と。また、周りから聞かれるのを危惧しているのではないか、こんな事も分からないのかと思われる事を心配しているのでは無いか、そう寛大な心で原因を解釈している事もあるでしょう。