本来、上司は、管理職手当を受け取っているのだから、それにふさわしい行動をとるべきである。それができないならば、非管理職に戻るべきだ。ところが、日本企業の人事制度は、職能資格制度であることもあり、降格がほとんどない。いったん、管理職になると、よほどのことがない限り、定年まで管理職のままとなる。結局、部下の育成力がなくとも、「自分はそこそこに優秀」と思い込み、部下へ指導らしきことをする。それができないと、自分の力を誇示しようとして、その部下をいじる。このあたりは、もっと問題視されていいところなのではないだろうか。少なくとも、非管理職への降格を増やすようにはするべきである。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。