水力発電が日本を救う-。一見突拍子もない主張である。しかしダムを3つ建設した「水力のプロ」が、日本のエネルギー問題は、世界でもまれな「地形」と「気象」と「既存ダム」で解決できると主張すると話が違う。
著者は既存のダムを最大限活用すれば、年間2兆円超えの電力を供給できると試算する。つまり国産の原料と技術だけで、有害物質を排出しない持続可能なエネルギーが手に入るという。
夢のような話だ。ところが、消極的な自治体と既存の法律がその実現を妨げているという。エネルギー政策に携わる者にぜひ読んでもらいたい。(1512円、東洋経済新報社)