「遺言代用信託」で相続トラブル防ぐ 契約数急増、自身で受け取りも (2/3ページ)

遺言代用信託
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  • 主な遺言信託商品

 遺言代用信託では、死亡診断書や信託証書などがあれば、速やかにお金を受け取れる。また元本保証で、信託管理手数料が無料という商品が多く、生前に相続人や銀行と話し合ってお金を託すことで、計画的に財産を継承できるメリットがある。受取人を明確にして財産を残せる点では生命保険も有効だが、高齢者や持病のある人は加入しにくい。一方で、遺言代用信託には契約時に一定の資金が必要になる。

 通販型も登場

 遺言代用信託は、資金を預けた人(委託者)が亡くなった際に、遺族が一括で受け取る一時金型と定期的に決まった金額を分割で受け取る年金型があり、双方を組み合わせることができるものもある。

 三菱UFJ信託銀行(東京都千代田区)が平成24年から取り扱う「ずっと安心信託」は、遺族だけでなく委託者自身が、生前の希望する時期から、定期的に決まった額を受け取れるサービスがある。例えば年金の振り込みがない月に、年金代わりに受け取るといった使い方ができる。そのうえで家族にも資金を残せる柔軟性などが好評で、契約件数は業界トップという。

「高齢化で相続に関連する金融商品のニーズは今後も高まる」