近視の人がまだ老眼ではないとき、近視用のメガネ(遠くが見えやすい)をかけた状態で手元を見るとちゃんと見えます。しかし老眼になって、近視用のメガネをかけた状態で手元を見ると、近距離でピントを合わせる能力が落ちているために見えなくなります。メガネを外すと手元が見やすくなるのは、レンズがなくなるため、余計な調節が不要になるからです。進行具合によっては、近視用のメガネを外しても、以前ほどは近くが見えなくなっていきます。
「近視なので老眼にならないと信じている方は、すでに手元のものを30cm以上離さないと見えづらくなっていても、『メガネを外せば見えるのだから老眼ではない!』と言い張ることが多いです」
手元が見えなくなり、不便になっても頑なに抵抗するというのは、ひとえに「老眼」という言葉の響きに問題があるからでしょう。しかし、見えないことで、日常生活や仕事に不都合が生じていることに変わりはありません。「抵抗すればするほど生産性を損なっている可能性が高い。早くメガネを作ったほうが生産性が上がりますよ」と平松医師は言います。
「自分は老眼/スマホ老眼かも」と思ったら、まずやっておきたいこと
もし「自分はすでに老眼、またはスマホ老眼かもしれない」と思ったら、まずは目の疲れを取りましょう。スマホ老眼の場合、それで症状が改善することがあるからです。
平松医師が勧めるのは以下の4つ。
・見る物の距離を離す
・ブルーライトをカットする
・パソコン作業を60~90分行ったら、10~15分程度休憩する
・1メートル以上遠くを見る
「近くばかり見ていると目の筋肉に負担がかかります。そのため5cmでも10cmでも離して見ると、疲労度が減り、疲れにくくなります。パソコンやスマートフォンなどのモニタを見るなら、ブルーライトをカットしましょう。専用の眼鏡をかけてもいいですし、スマートフォンにブルーライトカットの機能があればそれを活用してもいいでしょう。