□スコラ・コンサルト プロセスデザイナー代表・柴田昌治氏
■同じ目標持つ人が集えば大きな力を発揮
自分には会社を支えているという自負がある。周りからも評価されている。仕事は右から左へ効率よくさばいているし、上司やライバルからは「アイツはできる」と思われている。こうした中間管理職がたくさんいるのに、なぜ日本の企業は世界で存在感をなくしているのか?
外から見ると自分では気づかないこともよく見えてきます。「誰もが忙しさにかまけてしまっているからではないか」
本著は「できる社員」の仕事ぶり、その行動の裏に潜むワナを具体的に示し、そこから抜け出して「真のできる人」になる方法、当人と会社を元気にする糸口を伝授するものです。「できる人」の振る舞いとそれに対する私の分析は次の通りです。
1.仕事をたださばき続ける人(目先の対応に終始し、「この仕事の意味・目的・価値」は考えていないのではないか)。
2.上司の的を当てにいくのが常(探りを入れる癖がついているだけ。自分の判断はどうなのか)。
3.問題を考えず即断即決する人(過去の経験だけで解決していたら、今後の変化に対応できない)。
4.部門単位で物事を考える人(自分たちさえ良ければいいのか。他部門、会社全体、業界へと視野を広げるべきではないか)。
5.調整力に長(た)けている人(根回しするだけではみんなで議論し合い、解決策を探る大事なプロセスが欠けてしまう)。
これら組織の悪しき風土や体質を変えるには、一つ一つ仕事の意味を考えて処理すること。考え続けると「どこかおかしい」と感じるセンサーが働きます。その気づきを一人で抱え込まず、他部門の人たちも巻き込んで話し合い、協力して解決策を探すのです。