しかし、賃金の引き上げ方法は「定期昇給の実施や、ベアに限らず、さまざまな選択肢が考えられる」と表現するにとどまり、ベア主体の賃上げを求めるには至っていない。経済界からは、将来のコスト負担につながる懸念があるとして、ベアよりも一時金などで賃上げ要請に応えたいとの考えが主流で、今年同様、年収ベースの賃金引き上げとした。
今後、原案は来週開催する会長・副会長会議、12月後半の経営労働政策特別委員会で議論され、来年1月に正式に指針が公表される予定だ。これらの議論の中で、安倍首相が榊原定征経団連会長に要請した「期待物価上昇率を勘案した賃上げ」について検討する。来年度に予想される物価上昇を、賃上げ交渉で考慮することを求めたものだが、現時点では原案には盛り込まれていないため、取り扱いを協議していく。