【IT風土記】北海道発 海のビッグデータ操る「マリンIT」 漁業での活用に期待 (1/4ページ)

船上でタブレット端末を操作する新星マリン漁業協同組合留萌地区なまこ部会の漁師たち(和田教授提供)
船上でタブレット端末を操作する新星マリン漁業協同組合留萌地区なまこ部会の漁師たち(和田教授提供)【拡大】

  • 「マリンIT」の生みの親でもある公立はこだて未来大学の和田教授
  • ICTを活用した雇用対策を熱く語る函館市の工藤市長
  • 北海道大学の宮下教授

 北海道函館市は、函館山から眺める美しい夜景や歴史的景観である五稜郭など豊富な観光資源を持ち、北海道新幹線の開通でさらに魅力ある街として脚光を浴びる。しかし、その注目度の高さとは裏腹に、若年層の都市への流出や高齢化などで毎年約3000人という急速な人口減少に悩まされている。地域の活性化の切り札として期待されているのがICT(情報通信技術)の導入だ。なかでも、これまで地域を支えてきた漁業のIT化を進める「マリンIT」への期待が高まっている。

毎年3000人、ハイペースの人口減

 「大学進学率が高まっている中で、地元に大卒者が務める職場がないことが、若者の都市への流出を招いている」。工藤壽樹・函館市長は危機感を募らせる。民間調査会社のブランド総合研究所による「最も魅力的な市区町村」の調査で、函館市は3年連続トップに選ばれている。外から、憧れのまなざしを集める街だが、地元の若者の考え方は違うようだ。函館市の人口は1980年のピーク時に34万5000人だったが、2015年の国勢調査では、約26万6000人にまで減少している。毎年、自然減が2000人、若者の流出が1000人の合計3000人というハイペースで人口減が進んでいる。

 若者の流出先は首都圏や北海道の札幌などの大都市だ。工藤市長は「若者が吸収される大都市が、過密化により子育て環境が悪化し、少子化が進む」と述べ、日本が人口減の悪循環に陥っている現状を指摘する。一方で、函館市の高齢化率は32.8%にまで上昇しており、3人に1人が65歳以上の高齢者になりつつある。

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