【著者は語る】鈴木亘氏「経済学者 日本の最貧困地域に挑む」 (1/2ページ)

2016.12.10 05:00

(梅谷秀司氏撮影)
(梅谷秀司氏撮影)【拡大】

 □学習院大学経済学部教授

 ■まちづくり改革の実践ノウハウ

 筆者は、当時の橋下徹大阪市長に依頼され、あいりん地区と呼ばれる大阪・西成区の貧困地域の再生を、3年8カ月にわたって陣頭指揮してきました。

 この地区は釜ケ崎とも呼ばれ、日本最大の日雇い労働市場やドヤ街があることで有名です。しかし、バブル崩壊後は仕事数が激減し、労働者の高齢化も進んで、近年はホームレスや生活保護受給者があふれる一大貧困地域として知られています。貧困だけではなく、治安、衛生、環境、差別などの様々(さまざま)な社会問題が集積するこの地域の改革は困難を極めましたが、橋下市長のリーダーシップや、志を同じくする人々に支えられながら、様々なまちづくり事業を実施してきました。

 ここで目指した改革のコンセプトはズバリ、「全員参加のまちづくり」「ボトムアップのまちづくり」で、地域に生きる人々が自分たちの手でまちづくり計画を作るというものでした。

 もちろん、これは簡単なことではありません。特に、この地域には、日雇い労働者の労働組合、ホームレスや生活保護受給者の支援団体、諸施設、町内会、商店街、簡易宿泊所など、様々な利害関係者がいて、その利害調整は至難の業です。また、この地域の施策に携わる行政部局も、大阪市の各局、大阪府、大阪府警に分かれ、調整が困難でした。

今、あなたにオススメ
Recommended by

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。