ある大手企業の人事は次のように語った。
「確かに今は採用されやすいし、働きやすい世の中になりつつある。それでも学生は『なんて楽なんだ!』と短絡的に喜ばないほうがいいでしょう。同じような状況でバブル期に入社した先輩には、会社に貢献できない“残念”な人材が多い。その二の舞いにならないか、心配しています」
ただし、一部の学生は早く活動したほうが就職活動は有利であることを理解しており、今後、「動く・動かない」の二極化が進むものと思われる。後者の学生は売り手市場の恩恵を甘受するだけでなく、まずは自分の人生を最終的にどうしたいのか、考えておくべきだ。そして他人との比較で満足するのではなく、自分が納得できる就職活動をしてほしいものである。
(谷出正直=文 時事通信フォト=写真)(PRESIDENT Online)