【IT風土記】大分発 営農の見える化を実現、農業再生の道開く原価管理 (2/3ページ)

くしふるの大地の重政農場。三角屋根がシンボルの旧農業高校校舎の面影を残している
くしふるの大地の重政農場。三角屋根がシンボルの旧農業高校校舎の面影を残している【拡大】

  • くしふるの大地のスタッフがITを駆使し生産管理や品質管理を行っている
  • 収穫された野菜を手にした、くしふるの大地・加島社長(左)と玉田県議
  • 農場で取れた新鮮野菜を食事として提供する「子ども食堂」のイラスト(写真は加工)
  • 玉田輝義大分県議会議員
  • 力の源カンパニーの清宮俊之社長

 原価の把握が営農改革の入り口になる

 くしふるの大地が、最初の農業参入の圃場に竹田市を選んだのは標高700メートルの高地にあり、晩と日中の温度格差が発生し、農作物の甘味や実のしまりが良くなるという特徴があったからだ。さらに、通年出荷の体制を確立するため、農地面積の拡大が必要となり、重政農場を整備した。

 くしふるの大地の営農は、作付け計画から栽培管理、出荷・販売に至るすべてのオペレーションを20代~40代のスタッフが手掛けている。各セクションに責任者を置き、計画、実行、評価、改善という「Plan-Do-Check-Act(PDCA)」のステップを繰り返すことで、生産管理や品質管理の業務を継続的に改善することを目指している。

 「ラーメン店を経営してきた経験に照らして、原価管理の考え方をもっと突き詰めれば、農業には大きな可能性があるはずと直感した」。力の源カンパニーの清宮俊之社長はこう話す。農業参入に伴い、関係者にヒアリングした結果、農業素人ながらも外食産業と比べて原価把握のあいまいさが印象に残った。

 いくら経営のノウハウを導入しようとしても、肝心の原価が把握できなければ、すべては絵に描いた餅になる。しかし、逆に考えれば、「原価管理がきっちりできれば、PDCAのサイクルも血の通ったものになり、農業経営が見違えて良くなるはずだ」と清宮社長は考えた。原価管理のシステムを整備することが、くしふるの大地が目指す営農改革の第一歩として浮上した。

ICT化が農業再生のヒントに