■転職・独立をしても…
勘違いをした結果、27~28歳で「こんなレベルの低い連中と仕事はできない」と思い、転職をしたり、フリーランスになったり、自ら会社を経営しようとする人もいる。その多くは数年以内に失敗したり、後悔する。中には、転職を繰り返し、労働市場においての価値をどんどんと下げていく人もいる。そのことは今後のキャリアを考えると、相当に不利になる。しかし、そのことにも、経験が浅いがゆえに気がつかない。時々、転職先などで成功する人もいるが、その状態が長く続くとは限らない。
27~28歳は、会社員として1つの分岐点ではある。現在の仕事などにはまり、上司や周囲から認められていく人がいる。一方で、はまることなく、目覚ましい結果を出すこともなく、上司や先輩、同僚、さらには後輩からも軽く見られる人もいる。
はまることができない人は焦ったり、嫉妬したり、ねたんだり、落ち込んだりするだろう。だが、広い視野で考えよう。はまっているかのように見える同世代の社員が今後も、そのまま上手くいく可能性が低いことは心にとめておくべきだろう。27~28歳の時期は、まずは経験や場数を踏み、確実な力を養うべきなのだ。他人の「瞬間的な成功」に惑わされる必要などない。
文/吉田典史
ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。
■連載/あるあるビジネス処方箋