■勘違いしている
本人は経験が浅いがゆえに、思考も浅いことに気がついていない。問題や課題も正確にはつかめない。「なんとなく」というレベルでしかとらえることができない。経験が浅くとも、潜在能力の高い人は20代後半の時期にあえて謙虚になり、自分の仕事の問題や課題を見つけ出す。つまり、「考える力」がある。
そんな人は、20代後半の中では相当に少数だろう。多くは「自分はそこそこにデキル人」と勘違いしていく。その勘違いにより、自らが成長する機会を失い、30~40代になったときにいかに損をするか、ということをわかっていない。30代になり、頭角をあらわす人と、平々凡々とした人になる人の差はこのあたりにある。
■自分の優位を確かめようとする
22~23歳から2~3年の経験を積むと、会社や部署のことがわずかにだが、見えてくる。わかったかのような錯覚に陥る。すると、おぼろげな自信のようなものを形にしたい、と思い始める。その1つが、20代前半の人にできない仕事を与えたり、滅茶苦茶な指示をして、抑えつけたりすることだ。自分の優位を確かめようとする。この繰り返しで、おぼろげな自信を確かなものにしようとする。特に20代後半くらいに、このタイプが集中する。
この人たちの多くは管理職になっていないから、権限や権力をもっていない。自分よりも経験が浅く、立場も弱い20代前半の人を狙い、滅茶苦茶な指示をすることで、権威をつかもうとする。