【書評】『不発弾』相場英雄・著 一気読み必至の経済エンタメ

2017.4.29 05:00


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 大手電機が明らかにした1500億円にのぼる不適切会計-。上場廃止にあたる粉飾決算が、不適切会計という穏当な表現になった背景には、なにかが隠されているのではないか。警視庁捜査二課で第三知能犯捜査係(サンチ)を統括する小堀秀明は内偵を始める。情報屋から得たのは「古賀」という名前。その人物の周囲では不審な事故死や自殺が起きていることも判明する。いったい何者なのか。

 捜査員が過去をたどる視点と、極貧の幼少期から経済界の裏側をのし上がる「飛ばし屋」の視点が効果的に配され、物語を盛り上げている。一気読み必至の経済エンタメ小説。(1728円、新潮社)

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