若年性認知症の悲劇 仕事でミス続き社内で孤立、退職に追い込まれ… (2/3ページ)

2017.5.3 16:02

越智俊二さんが作った陶芸作品を手に、俊二さんとの思い出を語る須美子さん
越智俊二さんが作った陶芸作品を手に、俊二さんとの思い出を語る須美子さん【拡大】

  • 越智俊二さんが描いた絵と詩「わらうっていいなあ」
  • 越智さんの描いた絵と詩「なくって」
  • 越智さんが描いた絵と詩「でなくても」

 30年近く、厚生年金保険料を支払い続けていた俊二さん。もしも在職中に診断を受けていれば、障害厚生年金が月20万円程度、支給されるはずだった。だが、初診日が在職中であることが要件になっており、受給できない。「きちんと保険料を支払っていたのに、受給資格がないなんて…」。須美子さんには、納得できない思いを抱えつつ必死に働き、俊二さんを介護した。

 俊二さんはやがて、16年10月に京都市内で開かれた「国際アルツハイマー病協会国際会議」をはじめ、さまざまな講演会で、認知症当事者としての思いを発表するようになる。

 「母さん(須美子さん)は、私の現役の時よりも働いています」「働きすぎて、からだを壊すのではないかと心配です」「病気が治って、選手交代をして楽にしてあげたい」…。その言葉には、妻に経済的負担をかけていることへの申し訳なさがにじみ出た。

 俊二さんは17年ごろ、こんな詩を残している。

  自分のものわすれということが

  どうして

  こんなになったのだろうかと

  くやしい

  字がでてこない

  頭からでてこない

  (略)

 俊二さんは21年、肺炎をこじらせて亡くなった。62歳だった。

全国に若年性認知症の人は約3万7800人、6割が「収入減った」

 「若年性認知症になった人の多くは、自分の症状を家族にも話さない。一人で抱え込んで職場でも孤立し、診察を受ける機会のないまま、退職してしまうのです」と須美子さんは訴える。

診断受けずに退職する人、後を絶たず

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