今春、大学を卒業し、就職を希望した人の4月1日時点の就職率は昨年比0.3ポイント増の97.6%となり、統計を始めた1997年春卒から過去最高を更新した。厚生労働省と文部科学省が19日、発表した。6年連続の上昇となり、2年連続の記録更新となる。
就職を希望する全ての高校生が対象となる文科省の調査でも就職率(3月末)は98.0%(昨年比0.3ポイント増)で7年連続の増加となった。景気回復に伴う人手不足を背景に、企業の活発な採用意欲が反映された。
厚労省の担当者は「早い時期からの積極的な就職活動が高い就職率につながった。大卒者の求人倍率は依然高く、この傾向が続くのではないか」と話している。一方、大学生のうち約9900人が就職できなかったと推定されることから、企業に既卒者も新卒者と同様に扱うよう求めている。
大学生の調査は、国公立大24校と私立大38校を抽出し、学生を面接するなどして調査。主に正社員などとして就職した人の割合は、男子が96.9%(0.2ポイント増)、女子が98.4%(0.4ポイント増)。理系が98.7%と文系を1.4ポイント上回った。