自分のストレス状態を知る方法
--6月病は増えているのですか?
勝院長: 精神障害の患者数に関する厚生労働省の統計では、月次ベースのデータがありませんので、増えてきたことを数字で実証することはできません。しかし、当院では6月病の患者さんが増えてきています。
会社を辞めずらくなったことが理由の1つとして考えられます。ここ2~3年は売り手市場ですが、それまでは景気が悪かったので就職や転職が大変でした。「いまの会社にしがみつかなきゃいけない」「我慢しなきゃいけない」と思っている人が多かったのでないでしょうか。
もう1つの理由は、「所属感」「仲間意識」といった感覚が職場で得られにくい時代になったことです。昔は終身雇用制度によって企業への忠誠心も高く、「同じ釜の飯を食う」いわゆるファミリー企業が多かったわけです。こうした「所属感」「仲間意識」は精神的な健康を維持する上で重要な要素になります。社会が過度な成果主義に変わったことで職場の人間関係も淡白(たんぱく)になり、ストレスを溜めやすくなっていることも原因だと思っています。
こうした状況に対して企業(人事)は、チームのメンバーと「仲間意識」を感じてもらえるように、仕組み作りをしてサポートしていかなくてはいけません。有効な方法としては「一緒に何かをする」機会をつくること。サークル活動だったり、運動会、昼食会、飲み会なども効果的ですね。重要なのは仕事とは関係のないコミュニケーションを取る機会を増やすことです。
--自分のストレス状態を知る方法はありますか?