意欲が湧かない、ぐっすり眠れない、イライラする…。50歳前後の女性に多い更年期障害の症状が、男性にもみられることが知られてきた。「男性更年期障害」と呼ばれ、主に加齢に伴う男性ホルモンの分泌量低下が要因。ストレスも関わっているという。放置すると、鬱症状が出てきたり身体機能の低下、生活習慣病のリスクが高まるともいわれる。体の不調を感じたら、医師への相談が必要だ。(坂口至徳)
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◆男性ホルモン減
男性更年期障害は、40代後半から60代に多い。代表的な男性ホルモンであるテストステロンの分泌量の減少が主因とされ、「加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群」とも呼ばれる。
このホルモンは精巣(睾丸)でつくられ、性欲を高め、筋肉や骨格をつくり、活力を増すなどの作用がある。分泌量は20代をピークに徐々に減少していき、身の回りの環境の変化などによる重度のストレスがかかると、さらに低下する。