「45~55歳の年代の男性は仕事の面では責任ある立場になり、家庭でも子供の教育などストレスにさらされている」と話すのは、同クリニック専門外来主任担当医の辻村晃・順天堂大付属浦安病院教授。
肉体の衰えはこの頃に始まり、気持ちと体のバランスが崩れやすくなるという。辻村さんは「こうした変化が、男性ホルモンの分泌量を低下させるなどし、更年期障害のさまざまな症状を引き起こす」と指摘する。
◆病気の早期発見も
東京では、同じ医療グループのクリニックが、すでにドックを開設して診断。勃起障害(ED)を訴えた患者が前立腺がんと分かったり、重症の糖尿病や心筋梗塞が見つかったりするなど、早期発見につながるケースもあった。
脇坂クリニックの脇坂長興(ながおき)院長によると、男性更年期障害の症状を総合的に検査できるドックは少ないといい、「的確な診断データに基づいて、患者に見合った治療法を選択できる」と指摘。「疲労感が取れないと感じたり、怒りっぽくなったと家族が気づいたりしたときは、検診を受けてほしい」と呼びかける。