「最後の清流」といわれる高知・四万十川よりも透明度が高い川が同じ高知県にあるのをご存じですか? 県央を南北に流れる仁淀川です。「仁淀ブルー」と呼ばれる美しさは釣り師や写真家を魅了し、スピッツのCDジャケットも飾りました。
そんな仁淀ブルーの最高峰が高知市から車で1時間半、山々に囲まれた、いの町の滝壺「にこ淵」です。駐車場からアスレチックのように縄と鎖づたいに坂を下りること約10分、ファンタジー映画のような景色が広がります。澄んだ水は時間によってエメラルドグリーンに変わり、夢か現実か、一瞬区別できなくなりそうです。碧色は光の屈折率や淵の石の鉱質が関係しているとも言われていますが、真相は謎です。
いの町観光協会によると、以前はほとんど来る人もなかったこの場所がSNSで紹介されて人気になり、昨夏は全国から観光客が訪れたそうです。私が行った6月の平日も関西や関東ナンバーの車が目立ちました。
ただ、ここには鶴の恩返しの大蛇版のような伝説があり、にこ淵は水神の化身の大蛇が正体を見られて逃げ込んだ神聖な場所。入水、飲食は厳禁。私有地で駐車場も数台分しかありません。秘境の美を堪能する際、ルールを守ることもお忘れなく。
<プロフィル>
おざき・みき
元高知放送アナ。子育てをしながらフリーで活動中。産業カウンセラーの資格を持ち、心に伝わる仕事を目指す!
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