山梨県甲州市の寺社を訪れる外国人や女性の観光客が増えている。同市によると、富士山が平成25年に世界文化遺産に登録されて以降、市内の古寺をめぐり、日本文化を体験する外国人観光客の増加が続いているという。さらに、歴史や御朱印集めなどのブームに、市内の寺でロケが行われた人気ドラマの影響が重なり、若い女性客の増加も目立っているという 。
同市によると、平成25年に約322万人だった市内の観光拠点への入り込み客数は、26年に約344万人、27年には約360万人と増え続けた。28年は前年比3・3%減の約352万人となったが、存在感を高めているのが外国人と女性だという。
市観光交流課などによると、富士山・河口湖周辺のホテル不足を理由に、石和温泉(笛吹市)に泊まる中国人などの団体が増えている。石和に宿泊した翌日、武田信玄公の菩提(ぼだい)寺の恵林寺(甲州市塩山小屋敷)などを観光するケースが増えたという。
石和温泉で中国人の利用が多い「ホテル平安」の担当者は、「アジアからの外国人宿泊者数が世界遺産登録の前に比べ、約1・5倍に増えた」と話す。