国立成育医療研究センターは5日、インターネットを通じて支援を募る「クラウドファンディング」で、小児がんの治療に必要な無菌室を2室増やすための資金を集めると発表した。9月8日までに1500万円を集める目標。達しなかった場合は全額を返金する。
白血病や生まれつき正常な免疫が働かない「免疫不全」などでは、他人から提供を受けた造血幹細胞を移植する治療法がある。治療中は細菌などに感染しやすく、無菌室で3~4週間過ごす必要がある。
同センター小児がんセンターでは年間30件の移植を実施。無菌室が2室あるが患者は増加傾向にあり増設が必要という。企業からの寄付も募り、来年度に設計を始めたいとしている。同センターの無菌室で治療を経験した高校3年の男性(17)は「雰囲気は暗いし、シャワーも壊れていて不便だった。次に使う人が少しでも過ごしやすくなればうれしい」と話した。