いまとなっては、そうしたアピールが実にバカげた行為であることを理解する一方、「自分に必要な睡眠時間をきちんと確保したい」という意識を非常に強く持つようになっている。
最近、私は早朝のアポや、原稿の締め切りなど特別な事情がないかぎり、目覚まし時計をセットしないで寝る。とにかく寝たいだけ寝るようにしているのだ。しかし、大抵の場合は6時間~8時間程度で気持ちよく目覚めるので、「寝すぎて調子が悪い」ということもない。
こんなことを言うと「えっ、そんなにたくさん寝てるんですか~!?」「それで仕事は片づくのですか?」なんて返されることも少なくない。が、集中して仕事をすれば、1日の労働時間が1日6~8時間程度であっても、その日の業務は問題なく片付けられる。そうして夜はサッと飲みに行き、それほど長居せずに帰宅。家でゆっくりと過ごしつつ、眠くなったら寝る。そんな生活をここ数年間送っていて、すこぶる健康だし、仕事量も順調に増えている。さらに付け加えてしまえば、睡眠時間をしっかり確保するようになってから、年収も確実にアップした。
昼寝を否定するようになったのは日清戦争以降
睡眠の重要性を伝える活動は、中学校でも導入されているという。
2017年6月16日、TBS系の夕方ニュース番組『Nスタ』で、岐阜県の大垣市立北中学校が毎日13時10分から13時20分にかけてシエスタ(昼寝)の時間を設けていると紹介した。街頭インタビューでは親世代から「学校にいる時間にもったいない」「いいことだと思う」など賛否両論が挙がったが、同中学校の生徒からは「(午後は)嫌いな国語ですけど、頑張れそうです」といった感想もあった。
いまの日本では、昼寝をすることが憚られる風潮があるが、番組ではそのルーツは日清戦争にあると説明していた。江戸時代は農民が多かったこともあり、昼寝はごく一般的な習慣だった。しかし日清戦争後に”国民総武士化”のような機運が生じ、「昼寝をするなんて輩は、ダメなヤツ」という認識が生まれたのだとか。同中学校の施策は、かつて日本で一般的だった昼寝推奨文化を取り戻す試みであり、校長先生は「すっきりして午後の授業の集中力を高めてほしい」と答えていた。