九州北部豪雨 キャンセル相次ぐ温泉街「今は地元の憩いの場を」苦境に耐え無料開放 朝倉市

九州北部の豪雨の被災者らに、温泉を無料で開放している「やぐるま荘」の社長師岡哲也さん=2日、福岡県朝倉市
九州北部の豪雨の被災者らに、温泉を無料で開放している「やぐるま荘」の社長師岡哲也さん=2日、福岡県朝倉市【拡大】

 九州北部の豪雨で宿泊キャンセルが相次ぎ、苦境に立たされている福岡県朝倉市の「原鶴温泉」の宿泊施設の多くが被災者やボランティアのため温泉を無料で開放している。関係者は「今は地元の憩いの場という役割を果たすだけだ」と対応に当たっている。

 旅館やホテルは一部を除いて目立った浸水などはなかったが、旅館協同組合によると、キャンセルは7月17日時点で延べ約8200人にも上った。

 旅館「やぐるま荘」の社長、師岡哲也さん(46)は豪雨翌日の6日、テレビで地元の惨状を知り「自分にできることはないか」と無料開放を決めた。他の約10施設も開放を決め、組合が広報すると、被災者らが次々と訪れた。組合によると、7月30日までに延べ約1万6千人が利用した。

 師岡さんは「宿泊客がゼロの日もあるが、『ありがとう』『助かった』という被災者の言葉が支えになっている」と話す。

 一方、2日には福岡県が朝倉市などへの旅行商品の一部料金を負担する「ふくおか応援割」の導入を発表、観光業への復興機運も高まりつつある。組合長の井上善博さん(48)は「無料開放は被災者を中心に必要な人がいる限り、続けたい」と語る。

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