歴史がつくったガリバー企業 電通の「働き方改革」は機能するのか (3/4ページ)

電通本社(出典:電通公式Webサイト)
電通本社(出典:電通公式Webサイト)【拡大】

 一連の利害をうまく「調整」するのが日本の広告代理店の役割であり、そのためには膨大な労力が必要とされる。慢性的な長時間労働体質になっているのは、この辺りに根本的な原因がある。

 今回の電通の働き方改革については、社内から業務品質の低下を危惧する声があったと言われるが、この業務品質とは広告の質の話ではなく、こうした膨大な調整作業が果たしてうまく機能するのかというニュアンスが強い。

 電通の14年度における1人当たりの年間総労働時間は2252時間だった。日本人の平均的な年間総労働時間は約1700時間なので電通社員の労働時間は長い。前述したように基本計画では、19年度までに1800時間にするという目標を掲げている。

 具体的な削減方法としては、人員の増強で約100時間、業務の見直しで100時間、自動化やアウトソーシングで100時間、IT活用の推進などで100時間といった配分になっているが、この利害の調整に掛かる時間をどう減らしていくかが重要なポイントになるだろう。

 広告ビジネスのAI化を受け入れられるか

 筆者は、業務の見直しや自動化、IT化などと書いたが、電通の計画書には「ワークダイエット」「スマートワークスタイル」といった美辞麗句が並んでおり、具体性の面で少々気に掛かる部分があることは否定できない。ただ、全体で2割削減という数値目標を掲げたこと自体は素直に評価して良いだろう。

改革が成功するかどうかは経営陣の覚悟次第

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