上司を説得するときの「最強の話し方」 優秀な人がやりがちな間違いとは? (2/3ページ)

直接言っていないことも伝わってしまう「含意」

 「交通事故に遭った」と聞くと、私たちはあたりまえのように怪我をした状況を想像してしまいます。事実は「交通事故に遭ったけれど、奇跡的に無傷だった」かも知れませんし、「交通事故に遭ったけれど、病院に運ばれるシーンで夢から覚めた」かも知れません。ところが「交通事故に遭った」というメッセージから、実際には言及していない「怪我をした状態」を想像してしまうのです。このようなことを、含意と言います。

 コミュニケーションでは、実際には言っていないことまで解釈されることがしばしばあります。

 先ほどの否定ニュアンスを少なくした「納期に間に合わせるためにB案を提案します」という言い回しを選んだ場合でも、A案では間に合わせるのが難しいということは暗に伝わります。正面から相手を否定して、ネガティブな感情を向けられる必要はないのです。

 皆さんは無意識に「でも」といった否定形の言葉や、否定のニュアンスの強い言い回しをしていませんか? その場合「職場でチャンスを逃す」「同僚や部下から協力を得にくい」といった損をしている可能性があります。否定系の言葉を意識し、避ける練習を今日からはじめましょう。

優秀な人が陥る説明の罠

優秀な人がやってしまいがちな失敗に「説明のし過ぎ」があります。説得したい相手に、主張の意義や背景について説明し過ぎていませんか?

(説明し過ぎの例)

「各店舗での節電キャンペーンを提案した背景についてもう少し詳しくご説明します。石油やウランといったエネルギー資源の埋蔵量、増え続ける世界のエネルギー消費量、エネルギー消費による環境問題。どれをとっても現状のままでは大変な結果に繋がることが予測されています。それぞれについてアウトラインを説明しますと……」

 説得対象者が、説明している事柄について知識が少ない場合や自尊心が低い場合では、長い説明が態度変容のきっかけになることもあります。

相手の「なんとなく嫌だ」といった気持ちを引き起こさないためには?