上司を説得するときの「最強の話し方」 優秀な人がやりがちな間違いとは? (3/3ページ)

 しかし、説得対象者が説明している事柄について十分な知識がある場合や自尊心が高い場合、逆効果になるリスクがあります。

 同じ職場の上司は、知識があり、自尊心も高い人の典型的な例。主張を複数の論旨で支えるといった論理的な主張ができる人、事前に情報収集をしっかり行う人など、優秀な人ほど説明し過ぎになりがちなので注意しましょう。

 こういった失敗をしがちな人にぜひ試してほしいのが、説明をコンパクトにして、そのぶん感情面の対処を入れるというやり方です。説得シーンに「なんとなく嫌だ」といった気持ちを解消する要素を取り入れてみませんか?

「なんとなく嫌だ」の解消法

 相手の主張は理解できるし、正しそうだ。でも賛成したくない。そんな相手には「想定されるデメリット」と「デメリットへの対処法」を伝えるのがお勧めです。

 「なんとなく嫌だ」といった気持ちを引き起こすのは、デメリットに対する漠然とした不安。説得するときにはメリットばかり強調したくなりますし、デメリットについては言及したくないと思うのが人情です。しかし敢えてここを明確にし、その対処法まで示すことで説得対象者の感情対処ができるのです。

 私たちは論理で納得し、感情で動きます。正しさを振りかざせば反発を生み、間違った選択をさせてしまう可能性もあることを忘れてはいけません。強い主張よりも、相手の感情に配慮し、意見を変えやすい伝え方をする。これが説得シーンでの最強の話し方なのです。

藤田尚弓(ふじた なおみ)

藤田尚弓(ふじた なおみ)コミュニケーション研究家
早稲田大学オープンカレッジ講師 株式会社アップウェブ代表取締役
企業のマニュアルやトレーニングプログラムの開発、テレビでの解説、コラム執筆など、コミュニケーション研究をベースにし幅広く活動。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」(ダイヤモンド社)他多数。

 【藤田尚弓の最強の話し方】はコミュニケーション研究家の藤田尚弓さんがビジネスシーンで活用できる会話術を紹介する連載コラムです。更新は月初木曜日。