厚労省が働き方改革法案要綱を提示 残業時間上限を初めて明記 「脱時間給」も一本化

「働き方改革」関連法案の要綱を提示した労働政策審議会分科会=8日午後、東京都港区
「働き方改革」関連法案の要綱を提示した労働政策審議会分科会=8日午後、東京都港区【拡大】

 厚生労働省は8日の労働政策審議会分科会で、25日召集予定の臨時国会の最重要法案とされている働き方改革関連法案の要綱を提示した。長時間労働抑制策として残業時間の上限を初めて明記し、非正規労働者の待遇改善のため同じ仕事には同じ賃金が支払われるべきだとする「同一労働同一賃金」の実現を目指すことが柱だ。一部専門職を残業代支払いなど労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度を盛り込んだ労働基準法改正案(国会で継続審議中)の内容も盛り込み一本化した。

 労基法改正案をめぐっては、労働組合や野党が「残業代ゼロ法案だ」と強く反発し、平成27年に国会提出後、審議入りできていない。政府は対象者の健康確保措置拡充といった連合の修正要請を受け入れ関連法案に反映させ、理解を得たい考えだ。

 要綱によると、長時間労働を減らすために労基法を改正し、残業時間の上限を原則として「月45時間、年360時間」と明記する。繁忙時は例外に最長「月100時間未満、年720時間」として罰則も設ける。

 「同一労働同一賃金」の実現を掲げ、労働契約法やパート労働法なども改正。仕事内容が同じ場合には均等待遇を確保することや待遇差があるときは非正規労働者に理由を説明することを企業に義務付ける。

 労働時間等設定改善法も改正し、終業から次の始業までに一定の休息を設ける「勤務間インターバル」導入の努力義務を盛り込む。