イタリア人はなぜ遅刻するのか? 日常生活のなかで観察を促す幼児教育 (3/3ページ)

 「研究はアカデミックな感じがする。探求という言葉も使うが硬い。英語で対応するならば、リサーチではなくquestではないかと思っている」との返事があった。

 何かを探し歩く、というイメージをしやすい。そして日常生活という、型に嵌らない舞台で意味を探す姿を表現するに無理がない言葉だ。

 日本語の適語が見つかったわけではない。それでもこの言葉の説明は、イタリアの文化で大切にするプロセスをよく表し、レッジョ・エミリア市の幼児教育がどのような性格と位置づけなのかの理解の助けにはなる。

 最後に断っておくが、イタリア人の遅刻をぼくは全面的に肯定しているわけではないし、遅刻される身として嬉しいことなど一つもない。幸か不幸かイタリアでも遅刻に寛容な範囲は減りつつある。

 だからこそ逆に地域を問わずジグザグ歩行を推進する需要が増す、というものだ。(安西洋之)

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。