増える「スメハラ」対策に悩む経営者 “加害者”に自覚なし 対応次第で人権侵害のおそれ (3/3ページ)

マンダムが、企業向けに臭いのエチケットなどを指導するセミナー(同社提供)
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 人権侵害の恐れも

 一方で、臭いを気にしすぎる風潮も問題視されている。体臭の改善などにも取り組む五味クリニック(東京)では、ここ数年で相談に訪れる来院者が急増。だが、7割近くは臭いがないという。五味常明院長は「スメハラという言葉におびえるあまり、体臭に敏感になりすぎている」と指摘する。

 また、会社側が臭いについて従業員に注意すると「人権侵害につながる」という懸念の声もある。臭いは感じ方に個人差があり、体質が関係することもあるためだ。

 大阪弁護士会で労働問題を担当する冨宅恵弁護士には、臭いの強い従業員への対応のあり方について経営者から相談が寄せられるという。冨宅弁護士は「臭いを発するのが女性の場合もあり、上司が注意するとセクハラになると心配する声も多い」と話す。

 企業経営者には、適切な職場環境を保つ義務がある。ただ、スメハラ対策は一歩間違えると別のハラスメントにつながる危険もあり、経営者の悩みは増えそうだ。