【論風】将来不安解消の経済学改革 消費を動かす政府代替貯蓄 (3/3ページ)

 いわゆる使われていないおカネを動かす必要がある。政府統計で貯蓄を持たない国民は3%台に過ぎず、低金利下で普通預金やタンス預金が年々増えている。高齢者の金融資産も相続で現役世代に移行する。国民の手持ち金を使ってもらうには政府が国民一人一人のために生涯増え続ける貯蓄をすることが最も効果的で、老後安心できる貯蓄金額となるよう制度設計すると、将来不安が解消し政府代替貯蓄の分、国民は自分たちのおカネを使う気になれる。国民全体の将来不安への対処だから、全員が満足する制度でなければ効果がないため、どの人も毎日支払う消費税を積み立てていく貯蓄制度しかない。逆進性を調整した再配分の還付率にすれば、低所得層にも将来、当てになる累積金額が期待でき、多めの買い物を促す。財源に経年平均0.5%未満の追加成長が必要で、国民1人当たり1%消費を増やせばいい。将来不安が解消すれば日常的に食品などの品質改善余地はあり、生活水準向上意識から消費意欲は持続する。現行消費税収を使わず、消費税の枠組みだけ活用する「消費税積立貯蓄制度」を提唱する。

【プロフィル】大和田滝惠

 おおわだ・たきよし 上智大学国際関係論博士課程修了。外務省ASEAN委託研究員、通産省NEDOグリーンヘルメット調査報告委員会座長などを歴任。著書に『文明危機の思想基盤』、経済論文に「ヴィジブルな社会への経済政策」など多数。専門は社会哲学。66歳。東京都出身。