上司「残業されると俺の給料が減る」 働き方改革が招くパワハラ、仕事が遅い社員の苦悩 (2/3ページ)


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 第一生命保険も今年度末の人事考課から、管理職に限定していた生産性を高めたかどうかの評価を全社員に拡大。業務の質を落とさずに以前よりも短時間で終わらせたり、効果的な業務の見直しを提案したりした実績を給与額決定の指標のひとつにするそうだ。

 これまでは朝早く出社し、夜遅くまで仕事をしている社員を高く評価する風潮があったが、長時間労働批判やホワイトカラーの生産性向上を背景に人事評価を使って効率化を促すことにしたものだ。

 「時間内に終わらせろ、さもないと評価を下げるぞ」

 「生産性向上」の言葉の印象はいいが、従来に比べて短い時間で同じ成果、あるいは高い成果を出すことはスタッフや管理職にとって簡単にできることではない。仕事をこなすのが速い人もいれば、遅い人もいる。

 物書きの世界でも締め切り前に原稿を書き上げる人もいれば、筆者のような遅筆タイプもいる。速いか遅いかで仕事の出来は必ずしも関係ないと思うが、サラリーマンも同じように頼まれた仕事を定時までに終わらせる人もいれば、多少の残業をしないと仕上げられない人もいる。

 そういう人たちに「時間内に終わらせろ、さもないと評価を下げるぞ」というプレッシャーを与える“時間レース”を持ち込めば、本来は実力があるのに昇給・昇格の機会を逃してしまう人も出てくるのではないだろうか。

 業務の効率化や健康への配慮は当然必要だが、給与や昇進に関わる人事評価に手をつける前に解決しておくべき問題がある。

 ▼仕事は多いが増員なし「結局若手にシワ寄せ」

 そもそも達成すべき成果や仕事量は、会社の経営計画や事業部門のトップなど上から降りてくる指示内容で決まることが多い。

 ある大手建設関連会社では、事業部門のトップが「社員1人あたりの月の残業時間を80時間に設定して事業計画を策定した」と経営会議で発言し、顰蹙を買ったという。

 定時退社を促すのであれば、事業部門長がそれに見合った仕事量にするか、人事部に頼んで増員してもらう必要がある。

 もちろん人事評価に「短時間での仕事の効率化」を導入する企業はこの問題(仕事量と人員数の調整)はクリアしているのだろう。それもできずに「業務の効率化」を叫んでも現場が疲弊するだけである。シワ寄せは現場の部下や非正規社員、外部業者などにいくという構図になることがうっすら見えているが、そうならないことを望みたい。

「お前が仕事遅いから俺の評価が落ちて給料が減る!」

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