「動画依存症」にご注意を 自分の頭と言葉を使ってこそ増す説得力 (1/3ページ)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 可視化が大事、と言われる。言葉だけでなく画像あるいはカタチで示すことが重視される。ソーシャルメディアでも画像・動画の影響力が評価される。

 「文章なんて書いても人は読まないよ」「言葉の説明では限界がある」

 このようなセリフの功罪を考える機会があった。この1週間、欧州の人たちを連れ、数々の日本企業を訪問した。そこで各社でプレゼンを拝見した。

 パワーポイントのスライドが定番なのは言うまでもない。

 パワーポイントは言ってみれば、既にあるフォーマットを踏襲する安心感がある。それだけではない。ホワイトボードに手書きでチャートを描くのは、その場で才能が見透かされるのではないか、と不安だ。もしかしたら間違った漢字を書いて失笑される危険性もある。事前にパワーポイントを準備するのは、これらの心配を取り除いてくれる。

 ただ、あまりにパワーポイントのスタイルに依存し過ぎるのはよくない、と最近はあえてパワーポイントを使わないプレゼンも増えてきている。ホワイトボードを使ってラフな図やキーワードを手書きしていく。

 さて今回の経験で気づいたのは「動画依存症」ともいうべき現象だ。動画の使い過ぎである。一つの現象なりを言葉で説明しづらいから動画でポイントだけを見せるのなら問題はない。

 疑問に思ったのは、いわゆる公式のプロモーションビデオを最初から最後まで見せられる。全体の説明のために冒頭に使うのではなく、質問に答えるにあたり3-5分のビデオを見せるのだ。

 肝心なポイントは30秒から1分である。

インパクトを求めたはずが「浮いた存在」に