BRUTUSを愛読、こだわりの中古車… オシャレのつもりが残念な目で見られている「痛い中年」たち (2/2ページ)

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痛い中年の言動 若者がウザがる「Facebookおじさん」も

 要するにこの本は、自分ではかっこいいと思っているが、いつの間にかウザい人になっている中年を面白がる本なのだ。読者諸君、いつの間にか、痛い中年になっていないか? 昔、『ホットドッグ・プレス』や『POPEYE』を読んでいた頃の自分を引きずっていないか。

 特に注意したいのは、下の世代にとっては、いや同世代も含めてだが、自分がかっこいいと思っているものは、他人にとってはたいていダサいという問題なのである。最近では「Facebookおじさん」と若者が煙たがる中年のSNS投稿や、職場での飲みの話題などは、ゆえに気をつけなくてはならないのだ。いかにもこの手の雑誌の影響を受けて、コダワリの万年筆や時計を買ったところで、「知らねぇよ」となりがちなのだ。転職する際に、職場での挨拶で『北斗の拳』のラオウのセリフを真似して「我が生涯に一片の悔い無し!」と言って、誰も元ネタが分からず、スベった人がいたが例えばそのような、残念な状態になってしまうのである。

 この手の媒体が謎なのは、どう考えても普通のサラリーマンでは手の届かないようなライフスタイルが提案されているのにも関わらず、庶民も読んでいるというところである。ただ、ボーナスなどを投入すればやりくりできなくはないということなのだろう。

 自戒を込めて言うと、下の世代が引き、同世代からも共感を得られない『BRUTUS』『POPEYE』『Pen』愛読系中年の言動とは、次のようなものだ。

・カフェ飯のレシピと写真をSNSに投稿

→普通に和食食えよという話になる。しかも、カフェ飯を再現しようとしたが、見た目がそれほど美味しそうではない。

・逆にチャーハンに関する過剰なうんちくを語る

→松浦弥太郎ごっこはやめていただきたい。

・探しまくった中古車を買うが、誰からも共感されない

→まだ燃費の悪かった頃の輸入車や、ロードスターの初代モデルなどがありがち。そこで、当時のデートの思い出話などされても困る。

・エアマックス95の写真を載せる

→「懐かしかったので買っちゃった。当時は手に入らなかった」などといううんちくがまたウザい。

・文章を書かないクセに、やたらと高い万年筆を買う

→契約書にサインする機会すらないのに。お前、文字書けるのかよレベル。

・村上春樹の新作に、因縁に近いような、背伸びした批評をする

→村上春樹読んでいる時点で、庶民なのに…。

 まだまだあるが、この辺で。このように、中年がオシャレだと思ってやる言動は、たいてい共感されないし、浮いているだけなので気をつけよう。

【プロフィル】常見陽平(つねみ・ようへい)

常見陽平(つねみ・ようへい)千葉商科大学国際教養学部専任講師
働き方評論家 いしかわUIターン応援団長
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。主な著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。

【常見陽平のビバ!中年】は働き方評論家の常見陽平さんが「中年男性の働き方」をテーマに執筆した連載コラムです。更新は隔週月曜日。

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