【IT風土記】島根発 最先端ICT教育が離島の課題を解決 隠岐島前高校魅力化プロジェクト (2/3ページ)

 離島の高校の魅力を高める

 隠岐國学習センターは2010年6月、廃校の危機にあった隠岐島前高校を全国から生徒が集まる魅力的な高校にするため、海士町など隠岐島前地区の3町村などが取り組んだ「隠岐島前高校魅力化プロジェクト」の一環として設立された。

 隠岐島前高校の入学者数は2008年度にはわずか28人まで減少。統廃合の基準(21人)にぎりぎりの水準だった。「高校が廃校すれば、若者たちが島から離れてしまう。このままでは島は衰退するだけ。それだけは阻止しないといけない」と当時海士町の財政課長だった吉元操総務課長は、高校の存続に奔走。島前三町村の関係者を巻き込み、プロジェクトを立ち上げた。

隠岐島前高校の存続に奔走した海士町の吉元操総務課長

隠岐島前高校の存続に奔走した海士町の吉元操総務課長

 高校の魅力を高めるため、離島が抱える課題を教育テーマにするなど離島の特性を生かした独自の教育プログラムを設定。全国から「島留学」の募集を始めた。学力差が大きい生徒が集まる一方、教員の数が限られるという離島の高校が持つハンディを克服するため、公立塾の開設にも踏み切った。

 地域ぐるみのプロジェクトは大きな成果を上げ、全国から留学希望者は年々増加。今では募集定員の2倍以上の応募があるほどだ。08年に約90人だった生徒数は現在約180人と2倍に増加。5割程度だった大学や専門学校などへの進学率も現在は7割に高まったという。

 「グローカル人材」の育成を目指す

 特に遠隔教育をはじめとするICTの積極的な活用は高校の魅力化の大きな原動力になっている。高校と学習センターには約100台のiPadが配備されており、大型ディスプレーとiPadを連動させた指導も行われている。天候不順で学校に通学できなかった中学校の生徒たち向けの補助指導にもiPadが役立てられている。

島前高校や学習センターが目指すのは「グローカル人材」の育成

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