「カロリー制限でやせられる」は迷信だった 頑張って続けても“馬鹿らしい”理由 (3/3ページ)

人気料理のアヒージョは、まさに油を楽しむ料理、魚介や肉類を油とともに食べるのはロカボ(ゆるやかな糖質制限食)に好適だ。ただし、パンは糖質が高いので食べ過ぎに注意。
人気料理のアヒージョは、まさに油を楽しむ料理、魚介や肉類を油とともに食べるのはロカボ(ゆるやかな糖質制限食)に好適だ。ただし、パンは糖質が高いので食べ過ぎに注意。【拡大】

 脂質やカロリーの制限は、ダイエットや健康においてよい結果が得られるとは期待できず、むしろ良くないこともありえるということです。第1回目で触れたように、カロリー制限を続けるのは、とても大変なことです。そんな辛い思いをしてまで、良い結果が出ないのは馬鹿らしいと思いませんか?

 カロリーを気にせず、満腹満足

 ここで必ず聞かれる質問があります。

 「カロリー制限をしなくてよいというのは、脂質(油脂)やタンパク質を無制限に食べてもいいということですか?」

 答えはイエスであり、もしくは慎重にお答えするならばノーといえます。

 まず一つは、油やタンパク質は満腹になるまで食べてもかまいませんが、糖質は控える必要があります。糖質を控えた上であれば、油もタンパク質もどんどん食べてOKです。その意味ではイエスです。

 一方、もちろんカロリーを無限大に摂取すれば、理論上はやはり太ります。つまり、カロリーを無限大に摂取できる人に対してはノーとなります。ですが、人間には満腹中枢があり、無限大に食べ続けることは決してできません。*5

 時に満腹を超えて、食べ過ぎることもあるでしょう。でもその次の日の食事では「昨日ちょっと食べ過ぎて胃が重たいな」という自然のコントロールがかかり、おのずと翌日のカロリー摂取は制限がかかるものなのです。

 ですから、読者の方自身がカロリーを無限大に摂取できるような人でない限り、安心して満腹まで食べてください。満腹=あなたが食べてよい上限量です。

 さて、ここで説明しなくてはならないのが「糖質」とのつきあい方です。

 いまダイエット、病気の予防や治療のための食事は、カロリー制限から方向転換し、世界的に「糖質制限」が主流になろうとしています。

 次回は、私が推奨している糖質制限食「ロカボ」の解説をします。

 *1 N Engl J Med 2008, 359, 229-241

 *2 N Engl J Med 2013, 368, 1279-1290

 *3 BMJ 2013, 346, e8702

 *4 Eur Heart J 2013, 34, 1225-1232

 *5 極度の肥満の方、幼少の頃から肥満体質だった方などは、満腹中枢がうまく機能していない可能性が高いため、例外となります。

 山田悟(やまだ・さとる)北里研究所病院 糖尿病センター長

 1970年生まれ。94年慶応義塾大学医学部卒業。2013年(一社)食・楽・健康協会を設立。ロカボ=ゆるやかな糖質制限を提唱し、企業に対して啓発活動を行うなど、日本人の健康増進のために日夜活動中。著書に『糖質制限の真実』『カロリー制限の大罪』(いずれも幻冬舎新書)などがある。

 (北里研究所病院 糖尿病センター長 山田 悟)(PRESIDENT Online)