【書評】精神科医・和田秀樹が読む『神童は大人になってどうなったのか』小林哲夫著 社会や権威へ適応するより創造的破壊を (2/2ページ)

『神童は大人になってどうなったのか』小林哲夫著
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 これは私も妥当なものと思う。著者の定義では、東大理IIIに受かることは神童のようだが、そこからノーベル賞が一人も出ていないことを指摘している。

 私が思うに、その答えは考える力を伸ばすというより、上に逆らうことを許さない権威性、そこまでいかなくても上に忖度(そんたく)した研究をしないといけない環境だろう。

 初等中等教育は世界のモデルになりながら、大学以降の教育がひどいから神童の能力が生かされない。神童がこれまでの社会や権威への適応性の高さより、その創造的破壊につながる世界になってほしいと考えさせられた。(太田出版・1500円+税)

 

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