「なんで遅れた」「遅れたくせに」 しつこく文句を言い続ける「粘着バカ」にはこう切り返せ (3/3ページ)

「患者を診てやってる」 上から目線の相手には反論しても意味がない

 ここで私にも言い分はあります。8時40分に来いと言われたら、それは病院に8時40分に着き、受け付けをしろ、ということだろうよ、と。本来9時開始なのを早めてもらっているのだから、少しでもそのピッタリの時間に病院に着くのが正しいビジネスマンのありようだろ? と。

 しかし、この時の判断としては「ここでいちいちこちらの言い分を言っても意味がない」というものです。こちらとしては「さっさと消毒をしてもらい、抜糸の日までこの医師をエラソーにしておくに限る。そのためには一切口応えをしてはならぬ」という判断をすることを決めました。

 結局この日は最後まで「なんで遅れた!」を言われ続けたのですが、その都度「ごめんなさい!」を言い続けました。そして診察室から出る時は「もう血が出てないだろ!」とにこやかに言われたので「先生の腕がいいからです!」とお世辞まで言い「今日は遅れてすいませんでしたアッー!」と言ったのです。

中川淳一郎さん(左)。過去に中国・大連に取材に行った際、同行者に謝罪すべく頭を丸刈りにした

中川淳一郎さん(左)。過去に中国・大連に取材に行った際、同行者に謝罪すべく頭を丸刈りにした

 基本的にこの医師は「患者を診てやってる」と上から目線になっていますから、その人が私の4分遅れをネチネチと文句を言うのであれば、それに反論しても意味がないのです。こちらは「治してくれればいい」という目的があるだけで、別に一緒に仕事をする相手でもなければ、診療室を出れば一切の関係はなくなるわけです。逆ギレしたい気持ちはあるものの、とにかくペコペコしときゃ穏やかに済むわけで、こんな時はいくらでも頭を下げます。謝罪とはそんな割り切り方をしてもいいと思ってます。

【プロフィル】中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者 PRプランナー
1973年東京都生まれ。一橋大学商学部卒業後、博報堂コーポレートコミュニケーション局(現PR戦略局)で企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、フリーライター、雑誌編集などを経てネットニュースサイトの編集者となる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『内定童貞』など多数。

【ニッポンの謝罪道】はネットニュース編集者の中川淳一郎さんが、話題を呼んだ謝罪会見や企業の謝罪文などを「日本の謝罪道」に基づき評論するコラムです。更新は隔週水曜日。