「夢みたい」「縁を感じる」カズオ・イシグロ氏の出身地、長崎市では祝福の声相次ぐ

ノーベル文学賞の受賞決定後、取材に応じるカズオ・イシグロ氏=5日、ロンドン(ロイター)
ノーベル文学賞の受賞決定後、取材に応じるカズオ・イシグロ氏=5日、ロンドン(ロイター)【拡大】

 「長崎の誇りだ」。ノーベル文学賞の受賞が決まったカズオ・イシグロさんの出身地の長崎市では5日夜、関係者らから祝福や驚きの声が上がった。

 イシグロさんが幼少時に通っていた同市の「桜ケ丘幼稚園」(閉園)で、年少組の担任だった田中皓子さん(91)は「夢みたい。私が生きているうちに(ノーベル文学賞)受賞が決まるとは思わなかった」と感嘆の声を上げた。

 イシグロさんは小説「日の名残り」で1989(平成元)年に英国最高峰の文学賞ブッカー賞を受賞した際、国際交流基金の招きで長崎を訪れ、田中さんと再会している。「また会えるまで、死ねない。今度、長崎に来たらお祝いをしたい」と、突然の朗報に顔をほころばせた。

 自宅があった同市新中川町は、坂に一軒家が立ち並ぶ見晴らしのいい住宅街。作品中では市内を描いた場面も登場する。

 イシグロさんの祖父のことを覚えているという元自治会長、末次初己さん(88)は「大きな屋敷に住む恰幅(かっぷく)のいい人だった」と振り返る。「昔は桜の名所で『良か所におるね』といわれた自慢の町。長崎のことを作品で描いてくれたのはうれしいし、同じ町内に住んでいたのは縁を感じる」と喜びを語った。

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