デリヘルに“素人専門”が増える意外な理由 体当たりの「内偵」で暴く (1/6ページ)


【拡大】

 「風俗」では違法営業の摘発が後を絶たない。詐欺で客からカネを巻き上げる、未成年を違法に働かせる--これらに加えて、近年ますます問題になっているのが風俗営業店の「脱税」だ。摘発のため国税調査官は時に体当たりの「内偵」を行うという。中でも増え続ける「デリヘル」の脱税の手口とその暴き方を、元東京国税局主査の佐藤弘幸氏が明かす。

 売上からカネを抜く「売上除外」の温床

 今回、取り上げるのは「デリヘルの脱税」だ。デリヘルは、デリバリー(宅配)ファッションヘルスの略称で、店舗型のファッションヘルスと同様、ヘルス嬢をホテルや自宅に派遣する男性向けサービスである。いわゆる風営法が平成11年(1999年)に改正され、無店舗型性風俗特殊営業第1号として認知された。

 デリヘルは出張派遣というビジネスモデルなので、店の看板を街頭に出すことができない。そのためインターネットでの告知をメインとしており、ほかに繁華街にある風俗紹介スペースやスポーツ新聞などに宣伝することで集客している。平成11年(1999年)といえば、インターネット普及の初期にあたるが、デリヘル産業の市場拡大はインターネット普及と共にあったと言っても過言ではない。

 彼らはどのように脱税するのか? デリヘル業者の会計は、売上、ヘルス嬢への報酬、家賃(事務所とヘルス嬢待機所)、広告宣伝費、ヘルス嬢のスカウトに対する報酬、従業員給料でほとんど完結する。そのため、売上からカネを抜く「売上除外(正しい売上を計上しない)」というシンプルな脱税手法がよく用いられる。

 私が国税調査官として、ある繁華街の風俗業を担当していたころの話だ。素人専門デリヘル「プリンセスクラブ(仮名)」がターゲットになった。同店は風俗業未経験の女性がたくさん在籍していることをウリに繁盛していた。ところが、登録している女性が年々増えているにもかかわらず、売上がほとんど変わらずに申告されている。これが「クサい」と調査のアミに引っかかった。

「真実のリスト表」はどこにある?