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介護業界のスタッフが「困難事例」と呼ぶ介護利用者がいる。暴言や暴力だけではない。なかには洗髪後に「かぶれた頭皮の治療代をよこせ」と現金を要求されることもあったという。本人だけでなく家族が凶暴なクレーマーになることもある。介護スタッフが日々怯え、頭を悩ます「困難事例」の実像とは--。
介護業界における「困難事例」の高齢者とは?
介護業界には「困難事例」という用語があります。
これは自宅で介護を受ける高齢者など、利用者側になんらかの問題があり、介護サービスを提供する側が対応に苦慮したり、トラブルが生じたりする、といった事例をさす言葉です。
その困難を主に受け止め、どう対処すべきか頭を悩ませるのは、ケアマネージャー。利用者側(本人や家族)と相談してケアプランを作り、介護サービスの連絡調整・実施管理を行う司令塔役です。
困難事例は、介護サービスを提供する側が以前から抱えている問題であり、「当事者」でなければ直接関係はありません。ただ、広く介護現場の世界ではどんな困難やトラブルが起きているのか知っておいてもいいでしょう。
いったいどんな行為や言動が「困難事例」に該当するのか。
自分の老親が介護サービルの利用を始めた時、そのことを知っておけば、ケアマネージャーから「あのお宅は困難事例の利用者だ」と見られずにすみます。そこで、困難事例の実情を知るべく、現場で活躍中の男性ケアマネMさんとIさんに話を聞きました。