24時間365日、社員の健康維持 (1/3ページ)

適度なスポーツは健康増進に役立つが、果たして企業は費用対効果をどう考えるか(ブルームバーグ)
適度なスポーツは健康増進に役立つが、果たして企業は費用対効果をどう考えるか(ブルームバーグ)【拡大】

  • FSのカフェテリア(同社提供)

 投資管理会社、FSインベストメンツのフィットネスセンターで、クリス・セラノ氏は記者の腹部に冷たくぬるぬるしたものを塗り、超音波のスティックを動かした。妊婦に行うのと同じような検査で、どれだけ脂肪がついているのかを測定するためだ。

 前代未聞の参加率

 セラノ氏は既に記者を質問攻めにしていた。1日にどのくらい水を飲むか、オメガ3脂肪酸を含む食物を3つ挙げられるかなど。続いてスクワットや足上げをさせられ、体幹や臀(でん)部が弱いことが明らかになった。驚きはなかった。セラノ氏のアドバイスは「もっと運動するように」だった。

 大学のフットボール選手からフィットネストレーナーに転身したセラノ氏は、FSの従業員に重要な福利厚生を提供する人物だ。入社した新入社員が社内で最初に会う一人でもある。セラノ氏との面談は、同社の多岐にわたる従業員向け包括的健康維持プログラムの第1段階だ。

 「ザ・ジャーニー」と呼ばれる同プログラムは、企業向け健康維持事業を手掛けるエクソスがFSのために開発した。FSでは無料の食事、ジム、スポーツ教室、個人トレーナー、栄養士の存在などの福利厚生が、従業員の日常生活のあらゆる局面に浸透している。

 調査会社、アイビスワールドのアナリスト、ケルシー・オリバー氏によると、年1回の健康診断からFSが提供するような包括的プログラムまで、企業向け健康サービス市場は従業員の健康保険料の負担削減につながるとの期待から68億ドル(約7643億円)規模に膨れ上がった。

 だが、企業が大金を注ぎ込んでいるにもかかわらず、大きな成果は上がっていない。米シンクタンク、ランド研究所が行った複数の研究では、こうした健康維持プログラムはたとえ多くの従業員が参加したとしても、投資が費用削減効果を上回ることが示された。

前代未聞の参加率