【書評倶楽部】作家・わかぎゑふ 『こわいもの知らずの病理学講義』仲野徹著 ボケとツッコミの感覚で読める一冊 (1/2ページ)

作家・演出家のわかぎゑふさん
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  • 『こわいもの知らずの病理学講義』仲野徹著(晶文社・1850円+税)

 変な人に会った。日本舞踊の公演後の飲み会で、メンバーは古典関係者や能楽師、弁護士、学者…とアカデミックで大人な感じの夜だった。その中に人の良さそうな、毛の薄いオランウータンみたいな顔のオッサンがいた。

 「女はオモロイ方がええよねぇ。美人もええし、なんでもええわ」みたいなことを言っていて、私は誰やこの酔っ払いは?と思いつつ話をしていた。そのうちに人間国宝の話題になった。ちょうどそういう方が同席していたからだ。すると誰かが突然「人間国宝もええけど、この中でノーベル賞に一番近いのは仲野さんやな」と言い出した。そのオッサンであった。

 大阪大学の教授で病理学者の仲野徹氏。趣味は浄瑠璃。家に帰るとフェイスブックに友達申請が来ていた。自分の記事に「わかぎゑふって、おもろい」的なコメントが書いてある。「いやいや、あんたの方がよっぽどおもろいわ!」と、ツッコミ入れつつ友達になった。

 とはいえ、相手は学者である。多少は趣味がかぶっていても、またいつ会えるやら…というノリだった。だから、うちの芝居を観(み)にフラリと現れたときは本当に驚いた。

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