余命宣告されたら何したい? 最期考える「もしバナゲーム」の縁起でもない話がお年寄りの娯楽に (1/3ページ)

「もしバナゲーム」のカードには、死を迎えるときに「大切にしたいこと」が書かれてある
「もしバナゲーム」のカードには、死を迎えるときに「大切にしたいこと」が書かれてある【拡大】

  • お茶を飲みながら、気軽なムードでカードを選んでいく=東京都足立区
  • 「余命宣告されたら…」。自分の価値観や死生観に合うカードを選んでいく高齢者=東京都足立区
  • 「もしバナゲーム」の普及を目指す、亀田総合病院の蔵本浩一医師(右)と原澤慶太郎医師
  • 「余命わずかとしたら、何を優先したい?」。「もしバナゲーム」を通じて会話を弾ませるデイサービスのお年寄りと若山克彦社長(右上)=東京都足立区

 余命宣告されたら何を最優先したい? 「縁起でもない」と怒られそうなカードゲームが、高齢者施設で人気だ。死生観と向き合い、深いおしゃべりができるツールとして楽しまれている。死を見つめて優先順位をあぶり出すことは、どう生きたいのかを確認する作業。終末期だけのテーマではない。(重松明子、写真も)

 東京都足立区のデイサービス(通所介護)施設「グランドジェネレーションパートナー」での一コマ。

 「縁起でもない話なんだけどね、もし余命があと半年だったら、皆さんどんな価値観を大切にしたいですか? カードの中から1枚選んで」

 職員が配るカードを、85~90歳の男女6人が「へえーっ」と見つめていた。

 「機器につながれていない」「ユーモアを持ち続ける」「誰かの役に立つ」「清潔さが維持される」「家族の負担にならない」「親友が近くにいる」…。35枚それぞれに言葉が記されている。

 「穏やかな気持ちにさせてくれる看護師がいる」と書かれたカードを選んだ男性(90)に、「どうしてですか?」と理由をたずねた。

 「何だろね、最期は手を握ってもらって、穏やかになりたいね。看護師さんはやはり女性で」

 「ギャハハハ」…。おばあちゃんたちの笑い声のなか、男性は続けた。「娘は海外、息子は関西。女房が死んで、ずーっと長いこと一人でやってますから」