【編集者のおすすめ】ラスト50ページでも深まる謎 『マスカレード・ナイト』東野圭吾著

『マスカレード・ナイト』東野圭吾著
『マスカレード・ナイト』東野圭吾著【拡大】

 都内一流ホテルを舞台に、ホテルウーマンの山岸尚美と、警視庁捜査一課の新田浩介が難事件に挑む「マスカレード」シリーズ第3弾。これまで読んでいなくても心配ありません。本作単体で、五つ星のミステリに仕上がっていると自信をもってお勧めします。

 マンション「ネオルーム練馬」で、一人暮らしの若い女性の他殺死体が見つかった。被害者の胸と背中には不自然な加熱痕があり、電気ケーブルで感電死させられたものと思われる。捜査の手がかりがつかめない中、警察に一通の密告状が届く。ホテル・コルテシア東京で12月31日に行われる「カウントダウン・パーティー」会場に、犯人が姿を現すというのだ。警察はホテルへの潜入捜査に乗り出す。

 送り込まれたのは、かつてコルテシアでフロントクラークに化け殺人事件を捜査した刑事の新田。数年ぶりに訪れたコルテシアで、新田は以前、彼の教育係を担当し、現在はコンシェルジュとして働く山岸と再会する。怪しげな客が次々にやってくる中、2人は犯人にたどり着くことができるのか--。

 ホテルを訪れる客には、それぞれに思惑があり、いわば仮面をかぶっています。犯人は誰なのか。密告者の目的とは。登場人物全員が疑わしい本作、なんとラスト50ページを切っても謎は深まるばかり。そして、ただの謎解きでは終わりません。最後の最後まで、飽きることなく読んでいただける作品です。2017年も終盤、年末の読書のお供に、ぜひご一読ください。(集英社・1650円+税)(集英社文芸編集部 中山慶介)

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