タクシーの流儀にも「伝統文化」? 道案内役は運転手なのか客なのか (1/3ページ)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 先月、名古屋市内でタクシーの運転手と少々口喧嘩をしてしまった。

 名古屋駅前のタクシー乗り場から乗り、宿泊のホテルの名前を伝えたら、「住所を言ってくれないと分からない」と言われた。

 日本のタクシー運転手は住所よりも建物などの目印を求めることが多いが、「それなりに名の知れた高層ホテルのはずですが…最寄りの駅は○○」と答えながら、ぼくはスマートフォンで住所を調べた。

 高い階にあるバーからの夜景がホテルのサイトにあったので、住所を知らなくてもタクシーが連れて行ってくれると高をくくっていた。

 「それにしても、そのホテルに外国人のお客さんたちも自分たちで行ってもらうことになっているので、運転手さんが即分からないって困るのだけど…」とも呟いた。

 検索した結果、似たような名前のホテルが、目的地と2-3キロ離れたところに、もう1つあることが分かった。それを言うと、運転手は以下のように判断した。

 「そこのホテルは外国人ビジネスマンが泊まるタイプではないから、最寄り駅が○○のホテルでいいでしょう」

 この会話の間、60代後半と思われる運転手は一切カーナビに触れようとしない。自分で調べる気がまったくないらしい。

 しかも、「ホテルの名前が変わったのかもしれないけど、そんなの我々はいちいち追っていられないよ。名古屋にいくつホテルあると思っているの? ナビの情報は今年の2月に更新したしね」と話すものだから、カチンときた。

 「それ、プロの仕事って言えますかね。ネットで最新情報が常に更新できるのに、それを確認しようともしないって何なの?」と思わず言ってしまった。

すべての質問に答えたイタリアの運転手