3%賃上げ、来年春闘で要請 首相、「前年並み」から踏み込む (1/2ページ)

首相官邸で開かれた経済財政諮問会議=26日午後
首相官邸で開かれた経済財政諮問会議=26日午後【拡大】

 安倍晋三首相は26日開かれた政府の経済財政諮問会議で経済界に対し、2018年春闘で3%の賃上げを行うよう求めた。要請は5年連続で、労使で決める賃上げ水準に首相が具体的な数字を挙げて言及するのは異例。収益環境の改善で、内部留保を膨らませた企業に2%前後だった17年を上回る賃上げを促し、消費喚起とデフレ脱却につなげる。

 安倍首相は会議で「賃上げは、もはや企業に対する社会的要請だ。3%の賃上げの実現を期待し、経済界に前向きな取り組みをお願いしたい」と述べた。

 「3%」は、経団連集計で17年まで4年連続で2%台となったこれまでを上回る水準。昨年の要請では「少なくとも前年並み」との表現にとどめており、さらに踏み込んだ形だ。

 首相が明確に高い数字を示した背景には「企業収益が過去最高水準となっており、賃上げ、設備投資に向かう方向性を作りたい」(茂木敏充経済財政担当相)との強い思いがある。

 円安、株高を背景に企業の16年度の経常利益は82兆5000億円に達したが、内部留保は約400兆円に達し、賃金に十分に回らず物価も上昇しない。「企業部門がデフレ脱却を阻む壁になっている」(市場関係者)との声も上がる。

 同時に政府には19年10月の消費税増税に備え、景気が腰折れしないよう環境を整備したい狙いもある。

硬軟織り交ぜた対応が必要