バカほど「それ、意味ありますか」と問う 若者の思考レベルが「劣化」している (1/3ページ)

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  • 宮台真司●1959年生まれ。首都大学東京 教授。東京大学文学部卒。東京大学大学院社会学研究科博士課程満期退学。社会学博士。著書に『終わりなき日常を生きろ』『日本の難点』『正義から享楽へ』など多数。

 先輩から「理不尽なマナー」を強要されたとき、どうすればいいか。社会学者の宮台真司さんは「『何の意味があるのか』などとマナーやルールの合理性を問う者は、思考レベルが低い」という。そして「そうした『劣化』した若者が増えている」と苦言を呈する。どういうことなのか--。

 31歳より若い世代は絶望的に「劣化」した

 私は「1986年分水嶺説」を唱えている。今年31歳になる「86年生まれ」と、それ以下の「86年以降生まれ」には、実は大きな違いがある。

 「86年以前世代」は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件、援助交際ブームなどを経験しており、「社会は5~7年ごとにガラリと変わる」という感覚を持つ。

 他方「86年以降世代」は「社会はこのままずっと続く」という感覚を持つ。彼らが思春期を迎える97年頃から、日本社会は「平成不況」が深刻化、以降の変化が乏しくなった。だから「どうせ何も変わらないのであれば、周りに合わせるしかない」という構えになりやすい。

 世代はクリアカットに区切れないので、同じ傾向が30代前半から見られる。いずれにせよ先行世代は、若者の「劣化」を認識したほうがいい。具体的に説明しよう。

 なぜ性体験のない若者が増えたか

 「86年以降世代」は、物心がついたときからネットのコミュニケーションに依存する。だから、蔭で悪口を書き込まれるのを怖がり、「他人にどう思われるか」を気にする。「仲間外れ」を恐れ、異性との恋愛より同性との付き合いを優先する。不安が勝つので、恋愛も同性仲間との付き合いも、上辺だけになりやすい。

 絵文字やスタンプの普及がこれを加速させる。大学生のSNSをみてみると、どれも似たような絵文字やスタンプの送り合いだ。彼氏や彼女を別人に入れ換えてもやりとりは成立するだろうし、入れ換えたことさえ気付かないだろう。だから、どんな異性と付き合っても所詮は相手が交換可能だという感覚が拡がっていて、それが恋愛に乗り出す動機づけを削いでいる。

他者に対して想像力を働かせられない