【論風】加速するキャッシュレス化 「現金大国」の日本、対応の遅れは国際競争に直結 (3/3ページ)

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 4カ月で利用率20倍

 さらには昨今叫ばれているインバウンド集客に向けても、もはやキャッシュレス化が必須となっているのを肌で感じている。弊社の来客の3割がインバウンドという銀座の店舗で実際に業務提携しているアプリ「日本美食」に中国のネット通販最大手アリババグループの電子決済サービス、アリペイなどの支払いを導入したところ、モバイル決済の使用率はこの4カ月で20倍になり、中国人の9割がモバイル決済を使用している結果となった。

 つい先日の中国の祝日、国慶節に至っては7日間で150組ほどの中国人が来客し、そのほとんどがモバイル決済を使用している。

 キャッシュレス化の遅れは、キャッシュレス社会の国際的なインフラ競争に遅れることにもつながる。政府も20年に向けたキャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性向上を掲げている。私たち企業側もキャッシュレス化への対応を迫られる日もそう遠い未来ではないだろう。

【プロフィル】福原裕一

 ふくはら・ゆういち 1999年にKUURAKU GROUPを創業。首都圏に飲食店を19店舗、カナダに4店舗、インドに6店舗、インドネシア、スリランカに各1店舗、個別指導塾を2校舎展開。独自の若手社員育成法が注目されている。52歳。横浜市出身。