「僕もお金を稼ぎたい」44歳、ひきこもり27年目の逆襲 後編・待ったなしのサバイバルプラン (2/5ページ)

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 試算すると長男の生活費の不足額は1920万円

 おさらいをすると……。

 収入:78万円

 支出:174万円

 1年間の赤字額 ▲96万円

 66歳から86歳までの生活費の不足額 ▲1920万円

 次に、家族の財産、収入、支出の確認をしていきました。まずは財産からです。

 【ご家族の財産】現預金 500万円※その他の財産はなし

 次に家族の収入の確認です。

 【家族の収入の推移】

 父●現在:公的年金 210万円/父亡き後:なし

 母●現在:公的年金 74万円/父亡き後:190万円

 収入合計●現在:284万円/父亡き後:190万円

 ※公的年金以外の収入はなし

 ※父亡き後の公的年金収入は遺族年金も含めています

 次に家族の支出の確認です。

 ご相談いただく前の支出は、年額392万円で毎年100万円以上の赤字が出ていました。貯金は500万円でしたので、5年でそれも底をつくことになります。

 そのため、2カ月前の1回目の相談ではとにかく赤字を縮小することだけを目的に話し合いました。話し合いの結果、長男の「小遣いの見直し(6万円→3万円)」「住み替えの検討(郊外の安い賃貸物件へ引っ越す)」など支出を年間290万円まで抑えることができました。

 ここまでの話を整理をすると、年間の収入が284万円、支出が290万円。よって赤字は6万円まで縮小することになります。当初は年100万円の赤字だったので、かなり支出を削ったことになりますが、残念ながら、長男の生活費の不足額(1920万円)を準備することはかなえられません。

 他に何か手はないものか? 支出の一覧表を見つめながら考えました。見直すとなると、あとはここしかないなぁ……。私は心の中でつぶやきました。

 長男の生活費の不足額1920万円をどう捻出するか?

 「ご長男の将来の生活費を捻出するためには、こちらの支出も見直す必要があると思います」

 私は支出の一覧表にある「車関係費」を差しながら言いました。

 「もちろん、車がないと生活できないのであれば無理に手放す必要はありません。住み替え先は駅から遠くなるでしょうから、やっぱり車がないとだめですよね?」

 すると、Iさんは言いました。

車を手放すことで…